みなさんは、どんな時に、どんな場所で、どんな目的で音楽を聴いていますか?
今回は、クラシック音楽が、より生活の一部となる画期的なアプリの登場についてお話します。
クラシック音楽にも、デジタルミュージックの夜明けがやってきた⁉
本日1月24日より、クラシック音楽専門アプリ「Apple Music Classical」が日本でもようやく利用できるようになりました。海外から、約1年遅れて日本やってきたということで、まさに「クラシック音楽アプリの黒船来航」というべきでしょうか。
「Apple Music Classical」とは、500万曲以上のクラシック楽曲の他、作曲家の伝記などのコンテンツを提供する本格的なクラシック音楽愛好者に向けたアプリです。Apple Musicサブスクリプションに登録しているユーザーさんなら、追加費用なしで500万曲以上のクラシック楽曲を聴くことが出来る最強アプリです。
なぜ、「Apple Music Classical」が最強のアプリなの?
ただのクラシック音楽のストリーミングサービスなのでは?と思う方がほとんどかと思います。
そこには、他のジャンルの音楽とは違う、クラシック音楽の特異性が影響しています。クラシック音楽は、同じ楽曲名でも、さまざまなバリエーションが存在します。クラシック音楽は、指揮者や楽団が違えば、楽曲のイメージが変わることから、ひとつの楽曲であっても、違う楽曲として認識する必要があるのです。
もっとも有名なクラシック楽曲のひとつ、ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」を例としてあげてみましょう。
「Apple Music Classical」で、「ベートーヴェンの交響曲第5番」を検索してみると、指揮者や楽団の違いで、なんと「633本」もの録音が存在するのです。ひとつの楽曲で、633本の楽曲が存在するって、すごくないですか?
1808年にウィーンで初演されたベートーヴェンの『交響曲第5番』。世界で最も知られている4音のモチーフ「ダダダダーン」で幕を開きます。このモチーフについてベートーヴェンが「運命が扉をノックする音」と語ったといわれています。
いってみれば、633通りの『ダダダダーン』があるわけなんです。
4音のモチーフ「ダダダダーン」の聴き比べをしてみたところ、十人十色。ゆっくりだったり、早かったり、重厚感があったり、逆にあっさりしていたり様々なダダダダーンを楽しめました。このような聴き比べができるのも「Apple Music Classical」のおもしろさともいえます。
「ベートーヴェンの交響曲第5番」を例にあげてお話ししましたが、同じ楽曲名でも、さまざまなバリエーションが存在するクラシック音楽を、通常の音楽ストリーミングサービスで、クラシック音楽愛好家のユーザーさんを納得させるサービスを提供することが難しかったのです。今回、登場した「Apple Music Classical」では、多数の楽曲の中から、お気に入りの演奏家や指揮者といった、特定の作品を探し当てることが容易になったことは、どれだけすばらしいサービスなのかはいうまでもありません。
私も、さっそく「Apple Music Classical」をダウンロードし、お気に入りの楽曲を聴き倒しています。
新しい時代におけるクラシック音楽との向き合い方とは?
新しい時代、音楽との交流は変化を繰り返しながらも、私たちの生活に深く根付いています。
音楽ストリーミングサービスの到来。
大学卒業後、初給料で楽しみにしていたCDショップ巡りも、今や稀有なものとなりました。
あれから25年が経ち、街にあったCDショップも減り、クラシックのジャンルの商品棚は希少な存在に。自宅に、所狭しと並べていたCDの山も手に取ることがほとんどなくなりました。
音楽ストリーミングサービスの登場で、誰でも、いつでも、簡単に音楽を手にすることができる時代になりました。
私も毎日の生活に気分に合わせた楽曲を取り入れることができ、家事や車の移動中に気軽に楽しめています。
それが良いことなのか、悪いことなのか。手軽に音楽を聴くことができ、より身近になったような、逆に離れてしまったような不思議な感覚ではありますよね。
ベートーヴェンの時代から現代へ
ベートーヴェンが生まれた頃の時代では、音楽は王や貴族のエンターテインメントとして位置づけられていました。宮廷音楽家として雇われた作曲家が、贅沢なパーティーのBGMや演奏を提供していました。
市民革命の波が押し寄せ、出版社の成立やピアノの進化が起き、そして、ベートーヴェンはフリーランスとして自身の作品を発表し、演奏会で生計を立てる新たなスタイルが形成される契機となりました。
話は戻りますが、例えば、ベートーヴェンの交響曲『運命』を聴きたいと思ったとしたら、当時の人たちはわざわざ演奏会場に足を運んで音楽を聴きに行くでしょう。
演奏に感動してもう一度聴きたいと思っても、再び同じ『運命』を聴くことが出来なかった人もいたのかもしれません。きっと当時の演奏会は、一期一会のとても貴重な空間だったのだと想像できます。
現代では、音楽は容易に手に入り、同じ曲でも異なる指揮者やオーケストラの演奏を比較できる時代です。
音楽との関わり方も変わり、日常生活に溶け込んでいます。便利な世界でありながら、時折は演奏会に足を運び、生の音楽に触れることで新たな感動を得ることも一考です。
音楽が心に響く瞬間が、新しい発見となることでしょう。
富士市のピアノ教室、TAKASEピアノ教室では、「楽しく音楽を学ぶ」をモットーに、ひとりひとりの個性を大切にした丁寧な指導を心がけたレッスンを行っております。
↑ こちらをクリックでメールにて24時間受付中!